ホーム コラム ストレスと向き合い、長く働き続けるために――動物看護師のメンタルヘルスとセルフケア

ストレスと向き合い、長く働き続けるために――動物看護師のメンタルヘルスとセルフケア

ストレスと向き合い、長く働き続けるために――動物看護師のメンタルヘルスとセルフケア

「もう限界かも・・・」——そんな声が聞こえるほど、動物医療の現場は常に緊張感が張り詰めています。動物の命を預かり、飼い主の不安にも寄り添う日々。痛みや悲しみ、時には怒りの感情を受け止めるうちに、ふと気づけば自分の心も疲弊している…そんな経験はありませんか?

愛玩動物看護師は、国家資格化によって専門職としての地位が高まりました。しかし一方で、労働環境の改善はまだ十分とは言えず、肉体的にも精神的にも大きな負荷がかかり続ける現実があります。「このまま続けていけるのだろうか」と不安を抱える方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、知っておきたいストレスの実態と燃え尽き症候群(バーンアウト)の予防法、そして職場で取り入れられる工夫をご紹介します。


いま、動物看護師に起きているストレスの実態

ストレスを感じやすい現場の構造

動物医療の現場では、動物の死に立ち会う場面や飼い主への説明対応、職場の人間関係など、強いストレスを感じやすい要因が多く存在します。特に「感情労働」と呼ばれる、感情をコントロールしながら働く業務の負担は大きく、多くの看護師が「仕事に強いストレスを感じている」と実感しているのが現状です。

バーンアウト(燃え尽き症候群)のサインに気づけていますか?

「仕事に対して無気力になる」「達成感が感じられない」といった、バーンアウト(燃え尽き症候群)の兆候を訴える人も多くいます。こうしたサインを見逃さず、早めに手を打つことが、長く働き続けるうえで非常に大切です。

精神的負担が身体にも影響する

厚生労働省の「令和4年度労働安全衛生調査」では、現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄があると回答した労働者の割合は82.2%と報告されています(厚生労働省, 2023年)メンタルと身体は深く繋がっており、「心の疲れ」が「身体の疲れ」を引き起こすこともあるため、早めのケアが欠かせません。


明日から取り入れたい、動物看護師のセルフケア習慣

「リフレクション(内省)」で心の棚卸しを

一日の終わりに、印象に残った出来事や感じたことを簡単にメモする「リフレクション」は、頭の中を整理して客観的に振り返るのに有効です。1日数分でもいいので、自分の心に意識を向ける時間をつくりましょう。

呼吸と姿勢を整えるだけでも違う

仕事が忙しくても、1日数回、意識して深呼吸を行うだけで自律神経が整い、ストレスの軽減につながります。さらに、長時間の立ち仕事で固まった身体をほぐすストレッチや簡単な体操も取り入れると効果的です。

自分にとっての「回復スイッチ」を見つける

ペットと遊んだり、好きな香りや音楽を楽しんだり、心がホッと緩む瞬間を意識的につくりましょう。「仕事が終わったらこれをする」と決めるだけでも、1日の終わりと始まりのメリハリがつき、生活にリズムが生まれます。


バーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぐ、職場の仕組みとサポート

「感情を話せる場」をつくる

つらい気持ちを共有できるだけで、心が少し軽くなることがあります。定期的なミーティングや相談会など、スタッフ同士が思いを吐き出せる場をつくることは、メンタルヘルスの向上につながるでしょう。

働き方の見直しで「余白」を生む

長時間労働や休日出勤が重なると、疲労が蓄積して意欲の低下や離職につながります。厚生労働省の統計では、獣医師の平均残業時間が月27時間にのぼることが報告されており(厚生労働省)、業界全体で過重労働が大きな課題になっています。

シフトの見直しや予約制の導入、業務の分担などによる働き方改革が、残業削減や定着率の向上に寄与している事例もあります(船井総合研究所)。心身の回復時間をしっかり確保することで、心の余裕が生まれるのです。

専門家の力を借りるのもひとつの選択肢

院外のカウンセラーや産業医と連携し、必要に応じて相談できる体制を整えることも大切です。外部からの視点が加わることで、自分だけでは気づけなかった問題に気づけるかもしれません。


おわりに

動物医療の現場に立つ愛玩動物看護師は、命と感情の狭間で懸命に働き続けています。その強い責任感がゆえに、ときに自分自身を追い込んでしまうこともあるでしょう。しかし、日々の習慣や職場の仕組みを見直すだけでも、状況を少しずつ変えていくことは可能です。

それでも改善が難しい場合は、職場環境や人間関係といった、自分だけの力では動かせない課題を抱えているのかもしれません。そんなときは、思い切って転職を視野に入れてみるのもひとつの選択肢です。もし今、働き方に迷いや不安を感じているなら、ぜひ私たちパンダキャリアへご相談ください。動物病院での勤務経験をもつキャリアアドバイザーが、あなたの悩みに寄り添いながら、「笑顔で働き続けられる場所」を一緒に見つけるお手伝いをいたします。

監修

西山奈都美

獣医師

パンダキャリアキャリアアドバイザー

CT完備の1.5次病院で4年間獣医師として奮闘。現在は獣医師・動物看護師の就職支援に携わっています。 現場の苦労や喜びを知っているからこそ、悩みに寄り添えます。次の一歩を一緒に考えましょう!

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