動物看護師の給料が低い 原因と問題点 給与アップのポイントも解説
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はじめに
動物看護師の皆さん、毎日の業務本当にお疲れさまです。
診療補助や保定、院内清掃、受付対応など、動物看護師の仕事はとても幅広くハード。そのわりに給与が低い――という声をよく耳にします。あるアンケートでは、50%以上の動物看護師が現在の給与に「不満」または「非常に不満」と回答したというデータもあるほどです。
実際、「生活が苦しいから…」とやむを得ず他業種へ転職してしまう動物看護師も少なくありません。でも、「動物が好きでこの仕事に就き、資格を取ってまで目指した職業だからこそ、できればずっと動物病院で働きたい」「もっとスキルを活かしてキャリアアップしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?
そこで本コラムでは、動物看護師の給与がなかなか上がらない背景を整理しながら、給与アップのためにできる具体策をご紹介します。今の状況を変えるヒントを見つけるためにも、ぜひ最後までお読みください。

まずはクイズに挑戦!
25歳〜29歳の動物看護師の平均年収を知っていますか?また、同じ年齢層の人医療の看護師の平均年収とどれくらい差があるでしょう?以下の選択肢から考えてみてください。
【第1問】25〜29歳の動物看護師の平均年収はいくらでしょうか?
- 260万円
- 320万円
- 380万円
- 470万円
- 510万円
【第2問】25〜29歳の人医療看護師の平均年収はいくらでしょうか?
- 260万円
- 320万円
- 380万円
- 470万円
- 510万円
みなさん分かりましたか?給与の話はなかなか人としづらいものですが、自分の現状を知るには“相場”を知ることが大切です。周りの同年代や同業者の給与とどれくらい違うのか、まずはチェックしてみましょう。

【クイズの答え】25〜29歳の動物看護師・人医療看護師の平均年収
第1問の正解は2番の320万円、第2問の正解は4番の470万円です。地域差や病院の規模によって異なりますが、おおむねこのくらいの差があるのは事実です。150万円も差があるなんてびっくりですよね…
この数字を聞いてみなさんはどう感じましたか? 自分の給与と比べて高いと感じる人も、思ったより少ないと感じる人もいるでしょう。大事なのは、「なぜ自分は平均より低い(あるいは高い)のか?」と分析し、今後どうしていきたいのかを考えることです。
参考文献 厚生労働省「職業情報提供サイト」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User
なぜ人医療の看護師は給料が高いのか?
1. 保険診療に支えられているから
人の医療は健康保険制度によって一定の診療報酬が保証されているため、病院としては安定的な収益を見込むことができます。医療費が3割負担だと、少し体調が悪いだけでも病院を受診しやすいですよね。結果として、看護師を含めた医療スタッフの給与水準も比較的高く設定されます。
2. 国家資格化されてからの歴史が深く、業務範囲が広い
さらに、人医療の看護師は国家資格としての歴史も長く、法律上の役割や業務範囲がしっかり明文化されています。採血や注射など医師を幅広くサポートできる分野が確立されていることから、看護師は医療の現場で欠かせない存在。必然的に人材確保への投資が手厚くなり、給与も相応に支払われるという構造が長年続いています。
こうした安定した仕組みと歴史が、結果として看護師の給与を支えていると言えるでしょう。
なぜ動物看護師の給与は低いのか?
「同じ看護師なのに、なんでこんなに差があるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。実は動物看護師の場合、医療体制のシステム面や職種としての歴史の浅さなどが大きく影響してきます。ここでは、その背景を詳しく掘り下げます。
1. 自由診療で収入が不安定
まず、動物病院は基本的に自由診療(自費診療)であり、公的な健康保険制度がありません。飼い主さんの経済的負担が大きくなり診察のハードルが上がるため、病院側も安定的に収益を確保しにくいのが現状です。売上が不安定であると、スタッフの給与を大幅に引き上げることができず、「どうしても給与水準が低くなってしまう」という状況に陥りがちです。
2. 国家資格としての歴史が浅い
動物看護師が正式に国家資格となったのは、2022年のことです。これまで資格制度が統一されていなかったため、法律で動物看護師の業務範囲が明文化されておらず、各病院で動物看護師の業務内容を決めていることがほとんどでした。そのため、実質「保定や清掃をするスタッフ」扱いのまま何年も働くケースが珍しくありませんでした。となると、院長や獣医師がメインの診療や手術を行い、看護師の仕事が病院の売上に直結しない――という認識が生まれ、給与アップにもつながりにくい構造が生まれやすいのです。
こうした状況のため、動物病院によっては「初任給が手取り15万円程度」「昇給制度がほぼない」といった状況も。スタッフを使い捨てにしてしまうようなブラックな現場も見受けられます。また、まだまだ「動物病院ならどこもこんなもん」と妥協してしまう風潮があるのも事実で、結果的に給与の低さが当たり前化し、向上しにくい環境を生んでいるのです。

動物看護師が給与アップを目指すための方法
低賃金になりがちな原因をお話しましたが、「仕方ない」とあきらめるのはまだ早いです。実際、転職やスキルアップを通じて、月給30万円以上を実現している動物看護師や、人事・教育担当のポジションを任されて給与アップを叶えているケースも最近では増えてきています。
1.愛玩動物看護師国家資格を取得する
最近では、この国家資格を持っていると「資格手当」が毎月出る動物病院や、業務範囲が広がることで基本給が上がる動物病院も増えています。資格を取ることで、専門性やスキルを証明できるのはもちろん、動物病院にとっても頼りになる人材だと評価されるチャンスが高まります。
2. 業務範囲を広げる努力をする
- 新しいタスクや専門知識にチャレンジ 採血や麻酔管理など、獣医師をサポートする仕事ができれば、病院としてもより多くの患者(動物)を受け入れられるようになり、結果的に収益アップにつながります。セミナーや勉強会に参加してスキルを磨き、「こんなことまでできるんだ」と院長や獣医師にアピールすることが大切です。
- 飼い主さんとのコミュニケーションを強化 信頼関係づくりが得意だと、リピーター(かかりつけ患者)の増加や、フードやサプリメントの提案などもスムーズに行えます。接客スキルを上げて売上に貢献できれば、病院にとっても“いなくてはならないスタッフ”になり、給与アップが望みやすくなります。フードメーカーが栄養学などに関するセミナーを開催しているので、是非チェックしてみてください!
3. 自分から職場に働きかける
- 「もっと任せてほしい」とアピールする 今は保定や清掃が中心でも、自分で動けば業務範囲を広げるきっかけになるかもしれません。院長や獣医師に「こういうことをやりたい」と明確に伝えることで、新しい役割を任せてもらえる可能性があります。 自分の仕事が減り、診察に集中できる時間が増えれば、喜ぶ獣医師も多いはずですよ!
- 評価制度や昇給基準の整備を提案する 動物病院の経営者側にも、適正な評価の仕方がよくわからないケースがあります。評価基準や昇給制度の整備を話し合い、スタッフ一人ひとりが納得感を持って働ける仕組み作りを提案するのも有効です。 ※一方で経営者側が、そういった制度を求めているのか見極めることも重要です。病院によっては、文句を言わずに働いてくれるスタッフが理想という場合もあります。自分の意見を言いたいけど、言えない環境でフラストレーションが溜まるのであれば、離れることも視野に入れた方が精神衛生上好ましいと思います。
4. 転職を検討する
- 環境を変える勇気を持つ 現在の職場では業務範囲が非常に狭く、給与も低いままでこれからもあまり変わらない――と感じているなら、転職という選択肢を視野に入れてみるのも一つの手です。求人票を探すと、月給30万円以上を提示している病院や、スタッフの育成に力を入れている病院は思っている以上に見つかります。
- “スキルアップ”が目的の転職は好循環が生まれやすい 業務範囲の広い病院や、セミナー参加費を補助してくれる病院、さらには人事や教育担当などのポストを用意している病院では、自身の成長がそのまま給与アップにつながる環境が整えられている場合があります。新しいスキルや知識を身につけ、役割を増やしていけば、病院側からしても手放したくない人材になり、さらに待遇改善を期待できるでしょう。
動物看護師の転職をサポートする「パンダキャリア」を活用しよう
ここまで読んできて、「頑張ってみたいけど、どう行動すればいいのか分からない」「転職は考えているけど不安が大きい」と感じた方も多いのではないでしょうか。そんなときに頼れる存在が、獣医療業界に特化した転職支援サービスです。
パンダキャリアとは?
- 獣医師が担当 担当のキャリアアドバイザーは全員が臨床経験のある獣医師。動物病院ならではの悩みに親身に寄り添います。
- 希望条件やキャリアプランに合った求人を紹介 給与アップや業務範囲の拡大、さらに人事や教育担当など、あなたの希望に合わせて最適な職場を提案してくれます。
- 交渉や日程調整も代行してくれる 忙しい動物看護師のスケジュールに合わせて、面接日程の調整や給与・待遇面の交渉を行うため、負担を最小限に転職活動が進められます。
「やりがいのある仕事だけど、お給料にも満足したい」「もっと動物医療の現場でスキルを活かしたい」そんな思いを抱えるなら、プロの力を借りるのもひとつの手段。まずは情報収集だけでも良いので、気軽にパンダキャリアにご相談ください。
おわりに
動物看護師の仕事は決して楽ではありません。勤務時間も不規則になりがちですし、命に関わる大切な現場を支える責任の重い仕事です。にもかかわらず給与水準が低いという問題は、やはり根強く存在しています。
しかし、国家資格化に伴って「愛玩動物看護師」への評価が高まりつつあり、月給30万円以上を提示する動物病院が増えたり、人事・教育担当などのポストでキャリアアップできる道が開けたりと、少しずつ環境が変化しているのも事実です。
まずは、「将来どうなりたいか」を明確にし、そのために必要なステップを踏むことが大切。資格を取得する・業務範囲を広げる・院内制度を改善する・転職を検討する――これらを一つひとつ行動に移せば、きっと道は開けます。
「他の病院に移るのは不安…」という方も多いと思いますが、実際に転職で高待遇を得ている先輩動物看護師は少なくありません。悩みや迷いがあるなら、まずは一歩踏み出し、情報を集めてみることをおすすめします。大好きな動物たちに寄り添いながら、理想のキャリアと生活を両立できるよう、心から応援しています!
監修
西山奈都美
獣医師
パンダキャリアキャリアアドバイザー
CT完備の1.5次病院で4年間獣医師として奮闘。現在は獣医師・動物看護師の就職支援に携わっています。 現場の苦労や喜びを知っているからこそ、悩みに寄り添えます。次の一歩を一緒に考えましょう!