ホーム コラム 【動物病院スタッフ必見】カルテ略語・用語一覧|動物看護師・獣医師が現場で使う略語を完全解説

【動物病院スタッフ必見】カルテ略語・用語一覧|動物看護師・獣医師が現場で使う略語を完全解説

【動物病院スタッフ必見】カルテ略語・用語一覧|動物看護師・獣医師が現場で使う略語を完全解説

動物病院で働き始めたばかりの頃、先輩が書いたカルテを見て「この略語、何?」と思ったことはありませんか?

「先生から”この薬はQIDで”と指示されたけど、何回投与すればいい?」
「カルテに”BPとUをモニタリング”とあるけど、どういう意味?」

忙しい診察の合間に聞きにくいと感じて、そのままにしてしまう方も多いはず。しかし、カルテ用語の理解不足は業務ミスに直結する危険があります。

この記事では、動物病院の現場でよく使われるカルテ略語・用語を「検査・症状・処置・診断・処方」の5カテゴリーに分けて一覧で解説します。新人動物看護師・獣医師の「現場デビュー前の予習」として活用してください。

そもそも、なぜカルテに略語が使われるのか?

カルテの略語の多くは、英語・ラテン語の医学用語を短縮したものです。

カルテに略語を使用する理由は主に以下の3点です。

記録スピードの向上:診察や処置と並行してカルテを記載するため、短い表記が不可欠です。
国際的な統一性:略語は国際的に通用するため、専門家間での情報共有に適しています。
チームでの情報伝達:獣医師・動物看護師・受付スタッフが同じ略語を理解することで、ミスコミュニケーションを防げます。

検査に関する略語

診察や治療方針を立てる際に必須の検査用語です。検査値の報告や申し送りで頻繁に登場します。

略語正式名称意味・解説
CBCComplete Blood Count全血球計算。赤血球・白血球・血小板数を測定し、貧血や炎症の有無を確認する基本検査
BCSBody Condition Score体格指数。肥満度を1〜5段階(または1〜9段階)で評価する指標
FNAFine Needle Aspiration細針吸引細胞診。腫瘍や腫れた組織に細い針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で確認する
ECG / EKGElectrocardiogram心電図検査。不整脈や心臓病の診断に使用
BPBlood Pressure血圧測定
BTBlood Test血液検査(一般的な血液化学検査を指すことが多い)
FTFecal Test便検査。寄生虫卵や消化状態の確認に使用
UTUrine Test尿検査。腎機能・尿路感染などの評価に使用

症状・バイタルに関する略語

入院管理や申し送りでは、バイタルサインや症状の略語が頻繁に使われます。「BW↓」「Vom(+)」のように記号と組み合わせて使われることが多いです。

略語正式名称意味
TTemperature体温
BWBody Weight体重
PPulse脈拍
HRHeart Rate心拍数
RRespiration呼吸数
BPBlood Pressure血圧
AppAppetite食欲
VigVigor元気・活力
FFeces便(排便状況の記載に使用)
DiaDiarrhea下痢
UUrine尿
VomVomiting嘔吐
PUPDPolyuria Polydipsia多尿・多飲。腎疾患・糖尿病などで見られる症状

記録のコツ: (+) は症状あり、(-) は症状なし、↑↓ は増減を表します。例:「Vom(+)・App(-)」= 嘔吐あり・食欲なし


治療・処置に関する略語

投与ルートや処置の指示を表す略語です。処方箋・指示箋・申し送りで必ず目にします。ラテン語由来のものが多く、医療業界共通の略語です。

略語由来・正式名称意味
ivintravenous静脈内注射
scsubcutaneous皮下注射
imintramuscular筋肉内注射
poper os(ラテン語:口から)経口投与(内服)
icintracutaneous皮内注射
ipintraperitoneal腹腔内注射
inintranasal経鼻投与

診断名に関する略語

病名は長いものが多く、カルテでは略語が一般的です。よく見る疾患名を押さえておきましょう。

略語正式名称意味
AKIAcute Kidney Injury急性腎障害
CKDChronic Kidney Disease慢性腎臓病
IVDDIntervertebral Disk Disease椎間板ヘルニア
FxFracture骨折(Fixと記載されることも)
PYOPyometra子宮蓄膿症
MGTMammary Gland Tumor乳腺腫瘍
PSSPortosystemic Shunt門脈シャント
MRMitral Regurgitation僧帽弁閉鎖不全症
DCMDilated Cardiomyopathy拡張型心筋症
HCMHypertrophic Cardiomyopathy肥大型心筋症
mass腫瘤・腫瘍(確定診断前に使うことが多い)
MCTMast Cell Tumor肥満細胞腫
TCCTransitional Cell Carcinoma移行上皮癌
SCCSquamous Cell Carcinoma扁平上皮癌

手術名に関する略語

カルテや手術記録に登場する手術名の略語です。担当動物の術式を正確に把握するために、動物看護師も必ず覚えておきたい用語です。

略語正式名称意味・解説
OVHOvariohysterectomy卵巣子宮全摘出術。いわゆる「避妊手術」。犬・猫で最も多い手術のひとつ
OVEOvariectomy卵巣摘出術。子宮を残し卵巣のみを摘出。欧州で主流の術式
ORX / CastOrchiectomy / Castration精巣摘出術。いわゆる「去勢手術」
TPLOTibial Plateau Leveling Osteotomy脛骨高平部水平化骨切り術。前十字靭帯断裂(CCL断裂)に対する整形外科手術
TTATibial Tuberosity Advancement脛骨粗面前進術。TPLOと同様にCCL断裂に用いる術式
FHOFemoral Head Ostectomy大腿骨頭切除術。股関節疾患(レッグ・カルベ・ペルテス病など)に対して行う
MPL repairMedial Patellar Luxation repair内方膝蓋骨脱臼整復術。小型犬に多い膝蓋骨脱臼の外科的矫正
GDV surgeryGastric Dilatation-Volvulus surgery胃拡張・胃捻転の緊急外科手術。大型犬で多く見られる生命に関わる疾患
GastropexyGastropexy胃固定術。GDV予防や整復後の再発防止に行う。腹壁に胃を縫合固定する
CystotomyCystotomy膀胱切開術。膀胱結石の摘出や腫瘍の生検などに使用
PUPerineal Urethrostomy会陰部尿道造瘻術。尿道閉塞を繰り返す雄猫に行う尿道の開口術
Ent. surgeryEnterotomy / Enterectomy腸切開術 / 腸切除術。異物摘出や腸重積などの腸疾患に対する手術
SplenectomySplenectomy脾臓摘出術。脾臓の腫瘍(血管肉腫など)や破裂時に行う
HepatectomyPartial Hepatectomy肝部分切除術。肝腫瘍の外科的切除に使用
BAOS surgeryBrachycephalic Airway Obstruction Syndrome surgery短頭種気道症候群の外科的矯正。軟口蓋切除・鼻孔拡大などを含む
CEEnucleation眼球摘出術(Enucleationの略としてEも使用される)
Amp.Amputation断脚術。骨腫瘍や重度外傷などで四肢を切除する術式

処方・投薬頻度に関する略語

投薬指示で最も重要な略語群です。QIDとTIDを混同するとオーバードーズになる危険があるため、正確に覚えることが必須です。

略語由来意味
SIDSemel in die(1日1回)1日1回
BIDBis in die(1日2回)1日2回
TIDTer in die(1日3回)1日3回
QIDQuarter in die(1日4回)1日4回
EODEvery Other Day2日に1回(隔日)
Q10hEvery 10 hours10時間おきに1回
1/WOnce a Week週1回
q3DEvery 3 Days3日に1回

ミスを防ぐポイント: SID・BID・TID・QIDはラテン語が語源です。「S=1、B=2、T=3、Q=4」と頭文字で覚えると混乱しにくくなります。

まとめ|カルテ略語を覚えると、現場での自信が変わる

カルテ用語を正しく理解することは、ただの「業務効率化」ではありません。チームで動物を守るための情報共有ツールであるカルテを読み書きできることは、動物看護師・獣医師としてのプロフェッショナリズムの基盤です。

この記事で紹介した略語を日々の業務の中で少しずつ習得し、自信を持って現場に立てるようになることを願っています。

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監修

葭安涼

葭安涼

愛玩動物看護師

パンダキャリアキャリアアドバイザー

CT/MRI完備の1.5次病院で4年間、動物看護師として様々な経験をしてきました。 現在は獣医師・動物看護師の就職支援を行っており、現場を知る立場だからこそリアルな視点でサポートできます。 一人で悩まず、ぜひ一緒にキャリアの可能性を広げていきましょう!

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